「そんなことっ、関係ない!」
ふたりは――、正確にはひとりと一体は、間近で見つめあい独自の空気を生みだしてい
る。いつのまにか、なにやら変な方向に転がしだしたこの状況に、ステファ、アルテ、フ
ィアの探偵たちは、互いに顔を見合わせ「えーと」などと呟いていた。
するといきなり、ケーニスは初々しい学生のように背筋をのばし、バネ仕掛けの人形の
ように、ぴょこんっと頭をさげた。俄然、ステファたちはイヤな予感がした。それはもう、
猛然とした。
彼は、いった。
それはもう、猛然といった。
「写真みて、すっげーヒトメボレしました! オレのジョーカノになってください!!」
なぜかカタカナ多めの若者じみた台詞は、言葉の爆弾となってステファたちを吹き飛ば
した。心象風景の彼方へと。もちろん、三者の悲鳴は、なんだって〜〜〜〜っっ!? で
ある。しかも、この恐るべき展開には、まだ続きがあった。ステファたちの荒廃した心象
風景を……、それ自体を、世界の崩壊のようにガラガラと崩してしまう、そんな展開が次
に起こった。
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