「もーっ! ロザリー、こっち見なさいよ! ほらっ!」
「フィアさん、仕方ありませんわ! わたしが、その子を無力化します!」
「ダメ!! 女のコなんだよ!?」
短い言葉でアルテの提案を斬り捨て、フィアは思いきってロザリーの――、サーリアの
体を抱きしめた。包み隠すように。ざしゅざしゅざしゅざしゅ! と間近で霊気の刃を食
らい、フィアの体のあちこちで鮮血が弾ける。
「こら――っ!! 目ェ覚ませ! でないとブッ飛ばすぞ、このやろ――――っ!!」
痛みに耐えてフィアは吠える。
物騒なセリフとは裏腹に、愛しい者にそうするように、抱擁しながら。
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