ロザリーのきおくが、もどろうとしている。よくみておきなさい。 (あ、あなたは誰ですぅ!?) そして、つたえなければいけません、あなたが…… 轟!! と風が吠えた。 いや、それは風ではなかった。もっと、説明も形容も不可能な、なんらかの力の作用と いったほうが正確だ。サーリアは翻弄され、濁流を流れる葉のように自分が運ばれていく のを自覚した。 どこか遠くへ。――さらなる奥へと。