ふーっはーっと息を荒くし、肩を上下させて、フィアは念を押す。
 わかったわ、とうなずいてロザリーは、唇に人差し指を添えた。

『ふふ。でも、ちょっと残念だったかしら? ――さ、行きましょ♪』

 くるっと回って、ぱたぱた扉へと駈けだした。肩を落として、フィアは後に続く。
 アルテさんに怒られないかな……、と憂鬱そうに呟いて。
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