考えろ、考えろ、わたし――。超・天使的に!
〃ちっちゃい胸オバケ〃と化したエンジェルラビィ☆と相対するステファは、視界の隅に
『伝説のパン』が入った紙袋を見つけながら、一歩も動けずにいた。ほんのわずか、ラビ
ィ☆の前から離れようとしただけで、ラビィ☆は電撃のように反応して、めそめそと恨み
がましい視線を向けてくるのだ。
なんとかして、ラビィ☆をふりきらねば……。
考え続けるステファの耳には、ラビィ☆の「えっくえっく」という啜り泣きと、後方か
ら、倒れたフィアにすがりついているサーリアの声が届いていた。「フィアちゃん! フ
ィアちゃん!」と騒々しいサーリアに、ステファは集中を乱され、イライラする。
(もうっ、考えごとしてるんだからね〜っ)
そんなふうに内心でこぼしていると、ふいに、ステファの耳に悪魔がささやいた。
『なぁに、………………しちまえよ。けっけっけ』
えっ、とステファは思う。
まるで天の高みから落ちてきたような、あるいは地の底から湧いてきたようなそのアイ
デアに戦慄した。しかし、それは魅力的なアイデア――、作戦だった。どうする? と迷
うこと、ほんのわずか一瞬。
天使でありながら、ステファは悪魔のささやきにあっさり乗った。
――――これだ!!
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