ごんっ!! と、いきなりアルテの座っている床から重く固い音がして、ステファ、フ
ィア、サーリアの三人は硬直する。瞬きよりも早く、アルテは傍らの仕込み杖から白刃を
抜き、その切っ先を床に突きたてたのだ。
 示威行動のように、大きな音を立てて。
「フフッ。誰から斬られたいですか? 遠慮なくいってくださいね」
 肩でも揉みましょうか? と聞くのにも似た気安い口調だった。……しかし、凍りつい
た三人は、凍りついたままイヤイヤと壊れた自動人形のように首をふる。そして三者三様
に、「わあい、あたし、造花作り大好きー☆」「なんかこれ、ちょーハマるー」「イケてるよ
ねー?」「イケてるイケてる、もう病みつきー」などと嘘くさい台詞を吐いて、造花の材料
を手にとってみせた。
 満足げにアルテが微笑んで、自らも次の作成にとりかかろうとした、そのとき。

 きーんこーん。

 階下から、ドアベルの音がした。
 今度こそ、四人そろって手が止まり、互いの顔を見合わせる。がちゃ、とドアの開く音。
 そして。

「あう〜☆ ラスティ、ただいま戻りましたー♪」
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