勝手にしろ。好きにしやがれ。ご自由に。

 このあたりが、つまり、ランクレー探偵事務所の面々の最終的な結論であった。あるい
は、フィアの放ったこの一言が、もっとも端的かつ、当を得た意見かも知れない。ではど
うぞ。

「もう知るかっ」

 だが、いいこともあった。
 サーリアから今度はケーニスへと、とり憑き先を変えたロザリー。ロザリーは浮遊霊と
なって彼の肩にまとわりつき、ふたりは事務所の屋敷から出ていったのだが……。帰る間
際、ケーニスは気前よく依頼料を払ってくれたのだ。
 ――まあ、僕もぼんぼんですから。このていど、はした金ですよ。
 ぽーいっ、と札束の入った封筒を放り、その上での偉そうな台詞に、ステファたち探偵
一同は「なにをっっ!?」とブチ切れる……、こともなく恭しく封筒を拾い、ひらひらと
〃祝〃の字が入った旗をふり、
 ――また、どうぞ☆ お待ちもうしあげておりまーっすぅぅぅ☆
 と、一同揃ってふたりを送りだしたのである。プライドないのか。
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