払いのけられていた毛布を引きあげ、早くもあくびをこぼしている。 「はー、寝よ寝よ。時間がもったいないったら……、ふわあ」 まるで、自分にまじないが効いたみたいな姿だ。 そんな様子のフィアに、サーリアもやっと明るい笑みを浮かべる。 その笑みの裏側で、(――絶対に気づかれてはいけない)と恐いほど真剣に考えている。 知られてはいけない。なにがあっても。