「お……、か、おか……、おか、うーん……」
ラスティは、ぼんやりと台所に立ちつくしたまま、つぶやいていた。
「おか……、おか……、」
ふと、ひとつの単語に思い当たった。そうだ、これかも。
そのとき、台所の扉が〃ば――んっっ!!〃と開いて、フィアが駈けこんできた。
ラスティはびっくりして彼女を見、しかし出かけた言葉は、もう止まらなかった。
「オカマ……」
「!! だぁれが怪力おかまゴリラだってェ―――――――――――――――っっ!?」
フィアは、ウホウホ胸を叩きかねない勢いで、ブチ切れ、吠えた。
世界のどこかで、あるいは天の果てで、高らかにゴングが鳴った。
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