ステファは、誰にも気取られないよう、じりっ、と足を動かした。
とたんに、ラビィ☆の声が割って入ってくる。
「どーしたんですか、しょちょー。もう、わたしのはなしきいてくれないんですか、そん
なのひどいです」
ステファは、背中に冷や汗をびっしょりかいて、余所行きの猫なで声をだした。
「そ、そーんなことないわ。ちゃんと聞いてるもの。うふふ、ねー、ほんとひどい、フィ
アったら。わたしも、ぷーんぷんだよ。あとで、わたしからも怒っておいてあげる。こら
ーってしといてあげる」
蜘蛛の糸のように絡みついてくるラビィ☆の視線に、ステファは、必死で頭を働かせて
いた。勝利は目前だ。どうにかして、ラビィ☆の気をそらすことができれば、『伝説のパン』
は、わが手に落ちる。
考えろ、考えろ、わたし――。超・天使的に!
やがて、ステファの頭上で、ぴかりんっ、と白熱電球が灯った。……これだっ!!
|